「情報収集を英語でやる」という観点からの英語勉強法、2部構成のパート2です(パート1はこちら)。TOEICで800点前後の状態から900以上を目標とする時に必要と思われる勉強法を整理します。私自身の現在のスコアは900、ネイティブ平均と言われる950を目指してコツコツ勉強しているところです。
TOEIC900オーバーについて
TOEIC900オーバーを目指す時に求められるのは「速度と精度」だと思います。「速度」とはつまり、「考えれば分かる」から「反射的に分かる」状態までもって行くこと。「精度」とは、「何となく分かる」から「説明できる」状態まで持っていくことです。この辺りの感覚は多分スポーツに近く、「覚える」勉強とは少し性質が変わります。では具体的に。
リスニング
「情報収集を英語で」という観点からすると優先順位が下がるかもしれないリスニングですが、高得点を出そうと思うと必須です。リーディングと比較して、キチンと勉強すれば満点に近い点数が出しやすいらしいことからも、勉強のコストパフォーマンスは良いかもしれません。
TOEICリスニングはそれほど速くありません。ESLよりはやや速め、ノーマルよりは十分遅めという感じだと思います。したがって要求されるのは「精度」。では精度を高めるにはどういう勉強法が有効なのでしょうか?
シャドーイング
劇的な効果をもたらしてくれるのがこのシャドーイングです。同時通訳をやるような人たちにとっては必須の勉強法となっているらしいことからも、効果がうかがえると思います。やることは簡単で「聴き取りながら同時にブツブツ繰り返す」これだけです。CNNやBBCでやろうとすると相当厳しいので、ESLで丁度良いのではないでしょうか。単語をきちんと聴き取る習慣がつくようで、やり始めて数日〜数週間でブレイクスルーが訪れます。
必ずしも声を出す必要はなく、口を動かすだけでも大丈夫な気がしていますが、重要なのは丁寧に発音する(あるいは、発音する形を作る)ことです。電車の中でやっていると結構あやしい人かもしれませんが、気にせず続けることが上達の秘訣かと。
ディクテーション
「一つ一つの意味は分かるんだけれど、そのまま流れていってしまう」という問題に対応する上で有効と思われるのがディクテーション。これは、同じ文章を繰り返し聞きながら書き取る訓練です。1分前後でそれなりにストーリーがある英文が良いのですが、教材になりそうなものは意外と見当たりません。ボキャブラリー・ビルディングとあわせてできるお勧め参考書を挙げておきます。
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私の場合は、一度読んだ後でディクテーションに使っていますが、本当はまったく初めて聴く英文を書き取った方が良いと思っています。
リーディング
リーディング・セクションは大きく二つに分かれており、前半は文法問題、後半は長文読解です。全体を通じて時間が無く、「あと30分あれば、もっと高得点が取れたのに!」と思わせるのがこのリーディング・セクションではないでしょうか。
文法問題
どこまで得点が伸びるかは、ここでどこまで取りこぼさないかにかかっているところがあると思います。しかし、前述の通り時間は無いので、「反射」で正解にたどり着く必要があります。「思考」を「反射」に高めるのは「反復」しかあり得ません。同じ問題集を満点が取れるまで繰り返しやるという、地道な勉強が有効です。
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長文読解
まず大前提として言えるのが「一文ずつ日本語に訳しては確実に間に合わない」ということです。英文を英文として読みながら理解することが求められるのですが、簡単なことではないと思います。これに関する有効な勉強法(というか習慣?)はスラッシュ・リーディングだと思われます。
実際に英文にスラッシュを書き込みながら読むこともあるようですが、個人的にはあまり好きではありません。スラッシュ・リーディングを実践する上でのポイントは、以下の2点だと思います。
- 英文の意味のまとまりを確実に捕捉する。
- 意味のまとまりを理解(翻訳ではない)するために、一瞬目の動きを止める。
一単語ずつ読んでしまうと、意外と頭に残らないのに対し、このスラッシュ・リーディングは「目の動きが止まった」瞬間に脳内で意味の再構成を行うことができるため、読み終わった後に残っている情報量が圧倒的に多くなります。このあたりが、「スピードが上がったにもかかわらず、理解度が増している」という、一見不思議な現象が起きる理由なんだと思います。
という訳で、現状私の英文読解のイメージは、音にすると「ゴツッ、ゴツッ」です。「意味の理解速度」を上げることで、目の動きを止めなくても、流れるように読めるのではないかという仮説はあるのですが、まだその領域には達していません。有効な方法論があれば、是非教えてください。