アプリケーションエンジニア

概略

国家資格の「情報処理技術者」、上流工程系三本柱のうちの一本です。要件定義から導入まで、システム開発の全体を通じた、技術系責任者、と言うイメージでしょうか。試験勉強を一通りやって実際に受験した結果確信したことですが、「開発者が絶対に受けるべき資格試験」です。システム開発の全体像がかなりクリアに見渡せるようになります。

対策

基本的には「ソフトウェア」からのステップアップだと思われます。免除の方も多いでしょうし、対策としては問題集でいいと思いますので、午前の話は割愛で。


午後試験は、「難し」くはありませんが、

  • プログラマにとっては、あまりなじみの無い知識分野が対象であること。
  • 記述試験用のコツがいくつか必要であること。

以上の2点から、独特の対策が必要になります。


上流工程の経験が無い方の対策としては、おススメ参考書がこちら。

  1. 2006 アプリケーション 「専門知識+記述式問題」重点対策 (情報処理技術者試験対策書)
  2. ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本
  3. 情報処理教科書 アプリケーションエンジニア 2006年度版
  4. アプリケーションエンジニア合格論文集〈2006/2007年版〉 (情報処理技術者試験)


午後I試験に関しては、1.の二章を解き、2.を一通り読めば、試験で必要とされる知識の範囲が大体わかります。あとは、3.で過去問演習ですね。どのレベルで具体的な内容を解答すべきなのか、その辺のレベル感を身につける必要がありますが、出題者の意図がわかる様になってしまえば、さほどリスクはありません。時間配分は、問1.問2.で、25分、選択問題で35分、という感じでしょうか。


で、問題が午後IIの論文対策なんです。4.は良書ですが、これを読んでいるだけでは多分合格できません。理由は、良質の論文は書いてあるものの、ちょっと読んだぐらいで、このレベルの論文が制限時間内に書ける訳もなし。むしろ、これを読むことで、上流工程に対して積極的に意識を持ち、過去の経験を掘り起こして、「あの時リーダーはこんなことをしていたのかな」的に解釈し直すきっかけにする、という感じでしょうか。その上で文字数に対する感覚としては、設問イ.で1600字以上、設問ウ.で800字前後という感じで。実際に書いた感じだと、設問イ.で1600字書くためには、論点が最低二点、必要になります。


僕自身は、過去の経験をある程度参考に論文を一本つくりあげました。100%事実を書いた訳ではないので、色々と穴もある答案だったと思いますが、無事合格しているところを見ると、

  • 規定字数を満たしていること。
  • 問題文の主旨から外れないこと
  • それなりに筋道の通ったストーリーテリングをすること

といった程度で合格点はもらえる、ということのようです。


ともかく合否うんぬんよりも、今まで考えもしなかったことに目を向けられたのが何よりの成果だったと思えるような、そんな試験でした。



参考書情報:
ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本

ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本

情報処理教科書 アプリケーションエンジニア 2006年度版

情報処理教科書 アプリケーションエンジニア 2006年度版