ブログ:チームメンバー同士が信頼関係を築くための5つの方法

「プロフェッショナル同士の信頼関係」という観点からポイントを取り出しているEsther Derby氏のブログの要約と、それに対するコメント。

要約



チームメンバー同士が信頼関係を築くための5つの方法
Five Ways that Team Members Build Trust with Each Other

  1. 問題は直接的に表現しなさい。
    • 何か問題があった場合にはマネージャを介したりせずに、当人に直接言うこと。
  2. 関連する情報を共有しなさい。
    • これはタスクに関することと同時に、自分自身に関することも含む。生活に関して共有するものがある方が、人間が現実的("real")になる。
  3. 義務を全うするか、それができない時には早く言いなさい。
    • 常に物事を完璧に実行することが期待されている訳ではない。
  4. Noと思った時にはNoと言いなさい。
    • Noが言えなければ、Yesが何の意味も持たなくなる。
  5. 知っていること知らないことを示しなさい。
    • 知ったかぶりが一番まずい。

コメント

ポイントだけ抽出してしまうと素っ気ない人生哲学になってしまいますが、本文では「プロフェッショナルとしてのタスク遂行」と「ヒューマンな部分でのつながり」がバランス良く説明されています。業務においては「意見には反対しているけれど、人間性を否定している訳ではない」あるいは「批判的な質問をしているけれど、何を考えているのか知りたいだけだ」、さらには「このコードは最低だが、君のことは好きだ」などといった議論をしなければいけない局面が多々出てくる訳ですが、これら後半を一々言わなくても自明な前提として認識されている状態というのが仕事がうまく回る状態であるように感じます。これらの後半部分、要するに"I trust you"な感じのメッセージを担保するのが、結局の所はヒューマンな部分であるということになるんでしょう。


こういうヒューマンな部分、本文の言葉を借りれば「"real"な人間性」がとりわけ重要になってしまうのは、結局、ソフトウェア開発という仕事の性質に起因しているように思えます。つまり、単純に機械的に進められるものではなく(もちろん、機械的な仕事であってもチームプレイは重要ですが)、メンバー全員が同じ言葉で同じものをイメージするという、極めて抽象度の高い行為を継続的に行わなければいけないような性質のものだということですね。